本阿弥光悦

国宝 白楽茶碗『不二山』|本阿弥光悦

投稿日:2017年4月24日 更新日:

所蔵:
サンリツ服部美術館蔵
高さ:
9.0cm
口径:
9.6cm
高台径:
5.3cm

国宝たるはそのネーミングセンス!

国宝の茶碗のなかでは唯一作者がわかっているのが、富士山。ネーミングセンス抜群の名付け親は本阿弥光悦様。この茶碗以外にも国宝になっている作品がいくつかありますことは、後周知の通りかも。所蔵はサンリツ服部美術館で、年に1回程定期的に展示いただいています。

唯一無二たるは景色にあり

作風ですが、かたちは国宝の卯の花がきと同じく半筒。焼き方は楽焼になります。これば、楽家との関わりが関係していますね。
腰の真ん中から上は、口辺に向かって白が強くなっていくようなグラデーションがかかっています。どこか尊い印象を受けますね。一方、腰から下はゴツゴツとがっしりした印象を受けます。
手が触れる部分はがっしりと、口が触れる部分は尊く作られたなんともにくい一碗。是非一度手にとってお茶をいただきたいものであります。

光悦:スーパーアーティストならではのセンス

茶碗の種別としては、楽茶碗ですが、意匠としては楽茶碗とは似つかないところが多々あります。 当時のスーパーアーティスト光悦ならではの自由奔放な感性と、合間って富士山は生まれたのでしょう。

耳寄りなおはなし

ちなみに、この茶碗がこの美術館に渡った経緯が面白い。少しご紹介すると・・・畠山記念館にある雪邦と呼ばれる光悦作の茶碗があるのですが、2人の著名な茶人がどちらを選びますかで畠山が雪邦を、もう一人が不二山を選んだと伝わっております。
ちなみに、こちらの箱には表に「不二山 大虚菴」と記されております。大虚菴とは光悦の号なんだとか。箱書は光悦の自筆によるものであり、光悦の印が押されています(真意はわかりかねますが)。制作者が自ら箱書を行ったのは光悦が初めて。他の人が作ったものに名前を付ける習慣はあったようですけれどね。光悦についてもう少し詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

【徹底解説】本阿弥光悦とは

出典

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