益田鈍翁ってどんな人?
近代の茶人として著名な人を上げると、必ずあがってくるのが「益田鈍翁」。本名は「益田 孝(ますだ たかし)」と言い、1848年11月12日生まれのようです。
まさに明治維新の時代を駆け抜けた方で、幕末後の日本経済を動かし、今に至る「三井財閥」の基礎を気付いたといっても過言ではないでしょう。有名な所では、総合商社の雄である「三井物産」の設立や、「日本経済新聞」の創設にもかかわりました。
また、維新後の茶道ブームを起こした一人で、茶人としては「鈍翁」と号し、大茶人の一人と言われていますね。個人的には「松平不昧以来の大茶人」かなと思っています。ちなみに、名前の「鈍翁」は彼が収集した茶器の1つ「鈍太郎」に由来するとも言われていたりします。
益田鈍翁のたしなみ
茶人として、ある意味古田織部以来の新しい世界を切り出したのが益田鈍翁ではないでしょうか。従来の慣習に従うと、破天荒とも受け取られてしまいそうなこともどんどんこなしていきます。
有名なのは、今は国宝『紫式部日記』のお話ではないでしょうか。国宝の絵巻物を掛軸にしてしまう益田鈍翁の美意識と潔さには脱帽するほかありません。
益田鈍翁が求めた名品
数々の名品を集めた鈍翁ですが、その多くは他の誰かの手にわたっています。そのため、根津嘉一郎や五島慶太、藤田伝三郎のような立派な美術館はありません。ここでは過去に益田鈍翁が所持していた有名な茶道具(主に茶碗がメイン)をご紹介しましょう。
大井戸茶碗『翁』|井戸茶碗
青井戸茶碗『春日野』|井戸茶碗
瀬戸黒茶碗『小原木』|瀬戸黒
志野茶碗『広沢』|志野茶碗
コレクションした後、誰かに託すマインドを持っていた鈍翁。後世に名品を継ぐという点では、まことに見習いたいところがありますね。
耳寄りなおはなし
出典
- wikipedia