松平不昧ってどんな人?
茶道の世界に多少のたしなみを持っている方であれば「松平不昧」の名前は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
本名は「松平治郷(まつだいら はるさと)」と言い、出雲にあった松江藩の第10代藩主を務めておりました。政治についてはそこまで目立った業績は残していらっしゃらないようです。ですが、茶人としては超有名なお方。「不昧(ふまい)」という号で不昧流まで生み出してしまったほどです。
元々は片桐石州の「石州流」を学んだようです。その後、自らの号をもとに「不昧流」を創設しました。また、茶道の名品を蒐集することにかけては、尋常ではない労力と財力を投じたことでしょう。松平不昧が収集した茶道具は、後に「不昧公御好み」として現在に至るまで長く伝えられております。
松平不昧が集めた名品リスト「雲州蔵帳」
松平不昧が自身の所有物をもとに「雲州蔵帳」を作成しました。この帳簿はそれまでは「名物」と呼ばれていた茶道具の名器の数々をさらに細かく分類したものです。ちなみに、分類は以下のように行われました。
・宝物
・大名物(東山御物:利休が著名になる以前に最高位評価を受けていたもの)
・中興名物(利休が著名になった後に選定されたもの、小堀遠州好みのもの)
・名物並(利休が著名になった後に著名となったもの)
驚くべきは「雲州蔵帳」の中から国宝12点、重文15点の計27点が指定されていることでしょう。松平不昧がどれほど名器の蒐集に没頭していたのかが察せられそうです。
不昧所蔵の名品
松平不昧が所持した有名な茶道具(主に茶碗がメイン)を簡単にご紹介しましょう。
国宝 大井戸茶碗『喜左衛門』|井戸茶碗
重文 赤楽茶碗『無一物』|長次郎
赤楽茶碗『加賀光悦』|本阿弥光悦
重文 唐物肩衝茶入『油屋』|茶入
このほかにも「重文 井戸茶碗 細川」や「国宝 玳玻盞 梅花天目」等も所持していました。
耳寄りなおはなし
出典
- wikipedia