本阿弥光悦

重文 赤楽茶碗『雪峯』|本阿弥光悦

投稿日:2017年5月3日 更新日:

所蔵:
畠山記念館蔵
高さ:
9.4cm
口径:
11.6cm
高台径:
4.2cm
胴径:
12.9cm

偶然の軌跡

窯割れの部分は一体どうやって生じて、どうやって継いだのだろうかと誰でも考えてしまいます。光悦はこの部分を雪解けの渓流に、そして白釉の部分を山嶺に積もる雪に見立てたことから「雪峯」の銘をつけたのでしょうか

後ろ姿も見所たっぷり

くるりと反対側に眼を移すとまた驚きの光景が。細い漆の線による微細な金継ぎに惚れ惚れしてしまいます。

高台周りも面白い

窯割れと並ぶ雪峯の見所といってもよいのが高台周り。もう、高台が見えなくなるくらい胴に沈んでいるんですね。窯の中で自重に耐えきれなくなり、見込みの内側に隠れてしまったかのよう。「狙って作ろうとしても無理」といわれる茶碗No.1かもしれません。

耳寄りなおはなし

国宝の不二山と雪峯は、光悦茶碗の中ではTop1、2を争うのでは。個人的には雪峯のほうが光悦っぽくて好きです。また、畠山記念館に渡った経緯も興味深いですね。

出典

  • pinterest
  • 畠山記念館

-本阿弥光悦
-, , ,


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

赤楽茶碗『李白』|本阿弥光悦

所蔵:畠山記念館蔵高さ:N/A口径:N/A高台径:N/A 似たような形状を持つ「加賀光悦」とは良い対照を成しています。銘はおそらく所持した近代の茶人・原三渓が、茶碗の面積の大きさから大酒飲みの李白が酒 …

飴釉楽茶碗『紙屋』|本阿弥光悦

所蔵:個人蔵高さ:9.0cm口径:12.2cm高台径:5.4cm紙屋は依頼主の名前から金沢の大樋焼と変わりませんが、内すぼみの口縁、曲線を極端に強調した胴には如何にも光悦らしさがあります。銘の由来はこ …

黒楽茶碗『時雨』|本阿弥光悦

所蔵:名古屋市美術館蔵 高さ:N/A 口径:N/A 高台径:N/A なかなか見られない一碗 ザラザラした肌が印象的な茶碗です。似た形状の「雨雲」に比べ、「時雨」は寡黙なる賢人のようなイメージを受けます …

黒楽茶碗『黒光悦』|本阿弥光悦

所蔵:香雪美術館蔵 高さ:N/A 口径:N/A 高台径:N/A ノンコウと触発しあったのか? 形状がなかなか不思議です。七里に似ているかなと思うところもあれば、いや違うだろうと思うところもあります。不 …

黒楽茶碗『七里』|本阿弥光悦

所蔵:五島美術館蔵 高さ:8.2cm 口径:12.2cm 高台径:5.2cm ノンコウと触発しあったのか? 加賀光悦と同じ部類に入る光悦茶碗。口縁は刀で切ったかのように揃っており、胴もやはり直線的。胴 …

恵比寿屋のコレクションに関するレンタル・お譲りについてはこちらのページのお問い合わせよりコンタクトください。

茶道具キーワードで検索