唐津茶碗ってどんな茶碗?どんな種類があるの?有名な茶碗はあるの? 今回は唐津茶碗について、その特徴や分類を詳しく見ていきたいと思います。
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唐津茶碗の歴史と特徴
唐津焼はとても歴史が古いようです。遡ると7世紀(600年代半ば)の半ばに、高麗から来た者が陶器を作り始めたのが最初なんだとか。当時、唐の船が出入りする港の近くだったということで「唐津」という地名になったのだとか。
その後、桃山時代に本格的に唐津の窯が起こり、幾多の名品が世にでまわるようになったみたいです。唐津焼の中でも茶碗に供するもので井戸茶碗のように立派な者を、奥高麗とよぶことも。古唐津は茶道で使ういとを持って作られるよりも前に茶碗を作るスタイルが確立していた時代に生まれたものではないでしょうか。
ちなみに、窯の所在地によって、「松浦系古唐津(佐賀県伊万里市など)」「武雄系古唐津(佐賀県武雄市など)」「平戸系古唐津(長崎県平戸市)」などと分類できるとも。松浦/武雄系の古唐津は結構な数が出回っているのではと思われます。
唐津茶碗は茶の湯の名品としての地位を確立し、一井戸二楽三唐津などと格付けされるようになりました。志野茶碗や瀬戸黒よりも格上とされていたようです。
江戸時代までは結構な数を作っていたのですが、明治維新が起こると唐津焼は急速に衰退していくことにに。その後、戦後に復興の動きが活発になり、今は50近い窯元があるようです。
唐津茶碗の約束事
縮緬皺
高台の中がシワシワに縮れているものを珍重します。唐津茶碗につかう土でしか見られない特徴でもあります。
石ハゼ
土の中に大きめの石が入っていると、焼いた時に土が引き締まる際にその石の部分がぼこっと表面井出的マス。それを石ハゼと読んでいます。
三日月高台
三日月のカタチをした高台。等間隔の幅ではなく、一方の幅と片方の幅に差があるものが好まれます。
唐津茶碗の分類
奥高麗(おくごうらい)
唐津茶碗の種類の中では、一番格が高いといっても良いのがこの奥高麗。「奥」については諸説あり、「古い」と読み替えるような説もあります。「古い高麗のお茶碗」を見立てて、唐津で焼いたと考えると、納得してしまいそうです。作風はどーんと構えつつ、唐津特有の釉薬溜まりが美しい作が多いです。唐津の名品のほとんどは奥高麗ではと思いますよ。
絵唐津(えがらつ)
鬼板(おにいた)と呼ばれる鉄の絵の具で模様を描き、長石釉や土灰釉などの透明の釉薬を上からかけて焼きます。草や木、花等のイメージが描かれることが多いようです。織部のような幾何学模様は少ないですが、素朴な表情が愛嬌を醸し出す作が多いように思います。
斑唐津(まだらからつ)
乳白色の表面に、斑点がぽつぽつと現れた姿から「斑」と呼ばれるようになったようです。別名では「白唐津」とも呼ばれているのだとか。唐津焼発祥の地と言われている岸岳窯で作られたのが発端ではと推測されております。現代作家も色々と斑唐津に挑戦していますが、なかなか昔の作風に迫る者は生み出せていないように思います。
黒唐津(くろからつ)
真っ黒なカタチの唐津茶碗。沓形のものや半円のものまで様々あります。釉薬の溶けは中途半端で、ぶつぶつとした者が多いと思いますね。土は赤いものが多いように思います。瀬戸黒茶碗との決定的な違いは、この土の色にあるのではないでしょうか。
唐津茶碗一覧
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出典
- wikipedia