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『松永耳庵』|茶人

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松永耳庵ってどんな人?

1875年12月1日生まれ。本名は松永 安左エ門(まつなが やすざえもん)といいます。福澤諭吉の『学問のすすめ』に感奮興起して、慶応義塾の門をたたきました。卒業後は数々の事業を立ち上げ、財界人の間では「電力王」「電力の鬼」と言われたことで有名かもしれませんね。今の電力会社の多くを立ち上げてきたのも松永耳庵です。

その一方、美術コレクター・茶人としても非常に有名です。茶道の世界では「耳庵」の号で、非常に大きな存在感を示しました。益田鈍翁(益田孝)、野崎幻庵(野崎廣太)とともに、小田原三茶人(おだわらさんちゃじん)の一人としても有名です。ちなみに、「六十にして耳従う」の論語の言葉から「耳庵」の号をとったのだとか。カッコいいですね。

松永耳庵の生き様

松永耳庵は『栄典の類は反吐が出るほど嫌いだ』として、死後を含め全ての栄典を受け取らないことを公言たことは有名です。このため、逝去した際に当時の佐藤栄作内閣が「政府による叙位叙勲」を決定ましたが、遺族は松永耳庵の遺志を尊重し、一切の栄誉・栄典について辞退することにしました。

「人間の値打ちを人間が決めるとは何ごとか」
多くの大臣や高級官僚とは違い、松永耳庵は第一線で働く現場の人たちの苦労を自らの体で味わうことを重視していました。物事を動かすには現場を知らなければいけない、現場を知るためにはその場にどっぷりとつからなければいけない。高みの見物では何も動かないといった、かっこいい思想をお持ちだったようです。

松永耳庵が求めた名品

松永耳庵もまた、数々の名品を集めました。その多くは東京国立博物館に寄贈されており、多くが常設展で閲覧することができます。長次郎から井戸茶碗、志野茶碗まで多様な顔ぶれを楽しむことができますよ。ここでは過去に松永耳庵が所持していた有名な茶道具(主に茶碗がメイン)をご紹介しましょう。

大井戸茶碗『有楽』|井戸茶碗
志野茶碗『橋姫』|志野茶碗

好きを究めるうちに数寄になる、そんな茶人だったのではないでしょうか。

耳寄りなおはなし

亡くなった後、そのコレクションのほとんどを博物館に寄贈し、広くみんなが見られるようにしたい。そんな思いを持っていたのでしょう。

出典

  • wikipedia

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