コレクション

黄瀬戸茶碗『本歌取』|コレクション

投稿日:2017年10月10日 更新日:

所蔵:
恵比寿屋
高さ:
8.1cm
口径:
10.5cm
底径:
6.4cm
一金:
2,200,000円

ストーリー

黄瀬戸は本来茶碗を意識して作られたものではない。火入れのために作られたといわれている。しかし、とある粋な茶人が「ちょうどよいサイズ感」ということで、茶碗に見立てて利用したもの。合理性と美的感覚に優れた人物の粋な心意気に感服するばかりである。本来の茶の用途で使われている茶碗以上に、その存在感の高さと侘び寂びの完成度の高さから「本歌取」と名付けられた。

『赤富士』の形状

典型的な黄瀬戸の筒茶碗。胴はすとんと垂直に落ち、高台といえるようなものはほぼないといってよい。

『本歌取』の肌

作りがうすく、釉薬の厚さもそれほどないが、冷たい感じは無く不思議な暖かみがある。

『本歌取』の重さ

薄作りであることも相まって、非常に軽い。利休が好みそうな小柄なサイズ。

『本歌取』の箱

箱裏に「藍は青よりいでて青より青し。この茶碗もまたさようのごとく」と歌が添えられている。

耳寄りなおはなし

黄瀬戸の茶碗でよく評価されるのは、たんぱんと呼ばれる黄色の肌に緑色の模様。ですが、この茶碗では「そんなたんぱんなんてどーでもええですわ」と感じられるくらい、茶渋とニュウの景色が美しいです。茶渋は今日に至るまでに、いかにこの茶碗が多くの人の手に渡り、実際に利用されてきたかを物語ります。うーん、そこに思いを馳せるだけで3日間ぐらいは、妄想ストーリーを作れそうですね。

出典

  • 全てオリジナル

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