- 所蔵:
- 恵比寿屋
- 高さ:
- 7.8cm
- 口径:
- 12.0cm
- 底径:
- 5.2cm
- 一金:
- 3,200,000円
ストーリー
江戸初期に尾張藩の大名が、陶工に作らせた筒茶碗。同志との結束力を高めるための茶席で用いることを目的に作られたもの。そのため、様々な顔を持つ一碗が生み出された。尾張藩の大名に手渡った後、所在が行方不明になっていたが、伊勢の国の商人が、伊勢参りに立ち寄った京都の陶工に、宿を貸す代金として織部の茶碗を授かったとの逸話が残る。『暮雪』という銘がついていることから、雪とともに暮らしつつ、あらぶれる魂をしずめ、来る春にその魂を思う存分発揮しようではないかとでも言わんかのよう。
『暮雪』の形状
部類としては筒茶碗になるのだろうが、形状は織部らしく破格の様相。これほど石ハゼを残しつつ、胴は轆轤の跡を残し、口辺が朝顔のように開いている数奇な一碗。
『暮雪』の肌
釉薬が幾重にもかけられており、視る角度に寄って、印象ががらりと変わる一碗。あらぶる魂全開のような様子かと思ったら、しーんとその魂が静まったかのような様相も。正面をどこに持ってくるかで、その茶席の雰囲気も変わってきそう。
『暮雪』の重さ
サイズに比して重い。とはいえ、形状はしっかりしているので、両手を添えればその重さもあまり気にならないはず。
耳寄りなおはなし
出典
- 全てオリジナル